MAXON HD-1000/マクソン・ハーモニックディレイ

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 ラック型エフェクターはあまり好きではなかったのでほとんど持っていないが、これだけは別。10数年前に2台所有している友人から1台譲ってもらい(しばらく別の友人宅で眠っていたが)今も、所有している。しかし、残念ながらその機能のメインであるハーモニック部分が機能しなくなってしまった。ディレイとモジュレーション部分には問題が無いのだが、Harmonicボタンに切り替えてもオクターブ音にならないのだ。ヤフオクで探しているのだが意外と高値が付いてしまいなかなか落札できない。僕はこの機種の価格は1万円~1万5千円と見ているのでそれ以上の金額を出す気がしないからだ。また、別要因としてほとんど同じ機能を持っているIBANEZのHD-1501を持っているということもあると思う。
 とにかくこの機種は『これでしか出ない音』というのが確実に存在する。1オクターブ上のハーモニック音を原音に程よくブレンド(結構下品に多く)し、モジュレーションを適度にかけてフィードバックも少し多めに掛けると何というか『微かに波の立っている月夜の湖にたくさんの銀箔がひらひらと舞い落ちているような』音が出る。この音を印象的に使ったオリジナル曲が僕にはあるので、なかなか捨てられないのだ(そのオリジナル曲はもう演奏しなくなっているにしても)。イントロのギターフレーズと音色がもはや不可分になってしまっていて、別の音は考えられなくなってる。
 ヤフオク上でこのエフェクターが人気なのは布袋氏が若い頃使用していた為らしい。憧れのギタリストが使用していたので欲しいという気持ちはもちろんわかるが、はっきり云ってラックマウントタイプのエフェクターを毎回練習に持ってゆくのはかったるいし、単純なオクターブ音だけだったらBOSSのピッチシフターとか軽くて優れた製品がいっぱいあるのでそちらを使って欲しいと思う今日この頃だ。
 HD-1501も同じ音が出るが、長年使っていた感覚からどうしてもHD-1000のほうが気持ちいいように感じてしまう。実は微妙に音が違うのかもしれないが、おいてある環境が違うので今度試してみたい。(1501は実家においてある。購入は数年前なので同じ部屋で同じ機材で試したことはまだ無い)。
 後このエフェクターはモジュレーションを極端に上げると『ぴろぴろ』した音になるため、その昔ユーライア・ヒープの『Sweet Lorraine』のケン・ヘンズレーが出す気持ち悪いキーボードの音の代わりに使うことができた。そして実はラック型デジタル・ディレイにもかかわらずディレイパートは比較的アナログチックな音が出る為、手前にBOSSのトレモロ・パンをかましてピンク・フロイドの『One of these night(吹けよ風、呼べよ嵐って恥ずかしい邦題だったなぁ)』の中間パート(ドアたたく音の手前のボ・ボ・ボ・ボ・ボ・ボ・ボ・ボ・と言う例のストロボ・フラッシュっぽい音』)が違和感無くベースで出せます。まあ、これは他のトレモロとディレイでもできるんだけど…たらーっ(汗)